———じゃあまず、ふたりとも、なんで自分の部署を選んだのかを聞きたいな。それぞれまなかがスタッフ、媛香が役者をいつもやっているっていうイメージはあるんだよね。
媛香 「動機としては、引退公演だから役者をやりたい、っていうのはあって。もともと役者やりたくてゲキケンに入ったから、最後は役者がいいと思って、って感じです」
まなか「媛香は1年の最初の6月公演も役者だったもんね」
媛香 「そうそう」
———あれ、媛香は高校も演劇部?
媛香 「あ~、違います」
———あ、じゃあ大学から演劇やりたい、と思って入ってきたんだ。
媛香 「そうです」
まなか「そうだ、最初の時期もそういえば一緒だったね」
媛香 「そう!別のサークルさんの新入生歓迎の飲み会で隣になって~」
まなか「あと、ゲキケンの新入生向けの役者ワークショップも一緒に行って~」
———そうなんだ!そこからの付き合いなんだね。
媛香「懐かしい。もう3年経ったね~」
———まなかも演劇部だった?
まなか「私は中高ずっと吹奏楽部だったので、大学から入りました。私の場合は、今年の6月公演でも制作チーフやらせてもらったんですけど、そこで自分の中で『これはできたな』っていうことももちろんありつつ、でも『ここはもっとこうしたかったな』っていう心残りがけっこうあって。リベンジという意味でも、そこをもっと追求したくて、今回は制作やろう、と決めました」
———そっか。じゃあ、さっきちょっと話でも出たけど…引退公演ですがお気持ちは?(笑)
まなか「早いな~。全然実感がわかない…。媛香は今までのゲキケンの公演けっこう参加してたよね?」
媛香 「ゲキケンの公演は…皆勤賞かな、私は」
まなか「そうだよね!すごい」
媛香 「う~~~ん、はやいね。実感ない…けど、いつも通り、ひとつの公演として、やることをやって…それで『あ、終わったな』っていう風にいつも通り終わっていく、気がしている」
まなか「私は逆に野望があって。引退公演だし、たくさんお客さんを呼んで伝説に残りたい! みたいな(笑) すぐそういうこと考えちゃう。何年も前の秋公演でたくさん人が来た、みたいな噂を聞くと、これは私も呼びたいな、と」
———2人とも、今所属してる部署のイメージが強いんだけど、その部署へのこだわりとか、ありますか?これは毎回やっている、といったような。
まなか「(媛香が)本番が近づくにつれてどんどん静かになっていく、とか?(笑)」
媛香 「口数が減っていくよね(笑) ん~、自分なりにこういう風に演じたい、ってことももちろんあるんですけど、やっぱり演出さんが求めるものを最大限に出す、っていうことを何よりも優先するかな」
まなか「じゃあ、自分が思っている演技と、演出さんから言われた演技が全然違った場合でも、演出さんに従う?」
媛香 「そう、演出さんの意見に寄せていく。もしそこに抵抗があったら、とことん話をしてもらって、自分のなかで納得して、演出さんの理想像に近づける」
まなか「そういう意味では今回の稽古場、どう?」
媛香 「そうだね~。まだ配役が…そう!昨日(9/26)、第1回通し(9/30。現時点でできている部分までを部員の前で見せる稽古)のための配役が発表されたんです! でも、本番もそれで決定っていうわけではなくて、これからも変動の可能性があるんです。で、そんな感じで、第1回通し用の役がやっと決まったから、演出的なことってまだ言われていなくって。これからどうなるかって感じ(笑) 今までやってきた稽古では、『試しにこの役やってみて』とか、『ここでこう動いてみて』っていう感じで言われる程度で、演技面で『もっとこういう風に演技して』とか、『こういう風に読んで』とかは言われていないから、これからかなって思います」
「そして人生はつづく」
スペシャルインタビュー 第一弾!
公演に参加しているキャスト・スタッフさんにあれやこれや聞き出して、
この作品をより深く理解していこうという、この企画。
記念すべき第一弾は、
制作の永井まなかさんと役者でゲキケンの部長の横山媛香さんです!
制作 永井まなか× 役者 横山媛香
Plofile
経営学部3年、制作チーフ。
制作は5回目。無類の猫好き。
特技は道端にいる野良猫探し。
仕事はギリギリまで溜めるが、
一度仕事を始めたら止まらない。
永井 まなか
Plofile
社会学部3年、役者副チーフ。
ゲキケンの部長。
劇研の公演には皆勤賞。
写真を撮られるときは常に変顔。
おとなしそうな見た目からは想像できない、エネルギーに満ち溢れた演技が魅力。
横山 媛香
制作とは??
外部の団体さんと関わったり、SNSの中の人になったり、本番の受付としてお客様の接客をしたり、皆のサポートをしたりと、ゲキケンとお客様の懸け橋として、皆が気持ちよくなれるようサポートする部署です!
———では、第1回インタビュー始めていきたいと思います。今回は、制作チーフの永井まなか(まなか)と役者副チーフの横山媛香(媛香)です、よろしくお願いします。
まなか・媛香「「おねがいしま~す」」
まなか「稽古見学を観に行った時も、前にその役をやっていた人と、次にその役をやる予定の人とが話し合って、どう動くのか説明しあっていて。毎回変わるんだ、って思いました」
媛香 「そうそう、毎回自分がやりたい役に手を挙げて、前その役をやっていた人からその役を引き継いで、こうやって動く、とか、こういうタイミングで入る、っていうのを教え合って、そのシーンのいろんな役を皆がやれるようにしていくんです」
まなか「私が知っている普通の稽古なら、すぐ配役が決まって、だんだん気持ちを作って、セリフを覚えて、って感じだと思うんだけど、そうじゃないとなると、逆に役の作りこみとかはどうなるのかなっていうのがすごい気になる」
———それ、気になるね。
媛香 「そうですよね、私自身も未知(笑) ここから役が固まっていくから、役作りに関しては本当にこれからかな」
———だいぶ、演出が特殊な感じなのかな?
媛香 「そうですね、今までゲキケンでやってきた形とはだいぶ違うので、特殊…ですね。でも、すごい楽しいです」
まなか「稽古を見学しててもすごく楽しそうだった」
媛香 「役が決まってないからこそいろんなやりたい役に挑戦できるし、いろんな人のいろんな役が観られるから、本当に面白いし、発見もいろいろあります」
———他の人のやった役を観て、『あ、こういうやり方いいな』とか?
媛香 「そうそう、いいなあとか、『ああいうやり方があるんだな』とか…学べるし、楽しめるし(笑) 」
まなか「今回は役者も多いもんね」
媛香 「そう、多い! 学年も4学年全部いるし。個性的な人がたくさんいるから、稽古場にいるだけでも面白い!」
———まなかは?
まなか「制作も今回いつもと違うことを沢山やろうとしていて」
媛香 「いろいろありそうだね~」
まなか「このインタビューもそうですけど、いつもはやらないこととか
、いつもは気にしていないこととかを沢山気にしてやってるのかな、
と思いますね。今回、しっかりターゲットを絞っている、っていうのは
大きいかなと思います」
媛香 「お客さんの?」
まなか「そうそう。ターゲットを絞ったことで、その人たちに向けた
新しい集客のアイデアが出てきていると思います」
———漠然と来てもらうんじゃなくて、客層を意識することで、
宣伝の方法も絞れてくるよね。
まなか「そうですね、絞れてくるし、逆に新しいアイデアも出てきていると思います。ワークショップとか、チラシのノルマ制とか。とくにチラシは、ただ『劇やるんだ』、って口で言うより、モノ(チラシ)があったほうが分かりやすいし、興味持ってくれる人もいるから、手渡しはいいなって思ってます。最悪、『配れって言われてるんだよね』って言えば、皆もらってくれるかなって(笑)」
媛香 「配ることが大事だよね」
まなか「そうそう。何枚配れる?役者さん(笑) 50枚くらい?(笑)」
媛香 「20人以上いるしね」
———50枚が20人…1,000枚はけるね。
媛香 「50枚かあ…でもなんだろう、役者が宣伝しない問題みたいなのがあって(笑)」
まなか「そうそう!」
媛香 「役者こそ宣伝すべきだってのは…ちょっと…あの…思っておりますので、ハイ(笑) いただいた枚数配れるように努めますので(笑)」
———今、2人とも3年生としてサークルの中心にいるけれども…
まなか「よっ!部長!(笑)」
媛香 「やめてよ(笑)」
まなか「でも、部長になってから媛香変わったと思う!昔に比べていろいろ言うようになったしね」
媛香 「偉そうになった!!!(笑) すっごい偉そうになった、私もう、とんでもなく偉そうになったと思います(笑)」
———1年のときはすごくおしとやかなイメージだったけど、モノをはっきり言うようになったなっていうのは思うよ。
媛香 「(笑) もう、何? 面の皮が厚くなったというか? もう本当にイヤなんですけど(笑)」
———1年の6月公演の役柄のイメージが強いからかもしれないけれど。そのイメージからどんどん離れていったよね(笑)
まなか「髪長かったしね」
———どんどん髪も短くなってきてるし(笑)
媛香 「それにつれてどんどん(笑) 偉そうになった(笑)」
まなか「いいことだね~(笑)」
媛香 「自分が成長させてもらいました、みたいな話になっちゃったけど、そんな感じで(笑)」
———じゃあ、髪が伸びたまなかは(笑)
まなか「そう、私逆に髪が伸びましたね! 髪が伸びるにつれて全然大人しくはならなかったけど(笑) そうですね、この1年は、役職がないぶん好きなようにいろいろできたのかなと思っていて。『ここもっとこうしたい!』みたいなことを好きなだけ意見して…特に私たちが最高学年になって、媛香が部長になったあたりがいちばんピークでした(笑) 今思えばごめんね~って思うこともあります。でもやっぱり、言ったからってすべて出来るわけではないし、言った自分自身でも出来なかったことはたくさんあって。いろいろ考えるいいきっかけにはなったのかな、とは思います。1年生の時みたいに、先輩に従っていればなんとかなった、みたいな時期を過ぎて、自分が先輩の立場になって、『先輩って何なんだ?』みたいなことはすごく考えましたね。『先輩だから』っていうことは昔より考えるようになったけれど、後輩に先輩らしいことができているかっていうのは自信がないです…。そういう意味ではもっとちゃんとしていかなきゃな、って思ってます。」
———じゃあ最後に、作品に絡めて質問!今まで失くして悲しかったモノ教えてください!
媛香 「失くして悲しかったモノ。じゃあ永井先に。私ちょっと待ってね考えるね」
まなか「実はもう鉄板ネタがあるので(笑) …ドバイの砂漠でスマホを失くしました(笑)」
媛香 「あ~(笑)」
———それ、戻ってきたの?
まなか「いや、戻ってきてないです(笑) 今年の3月くらいに旅行でドバイに行ったときに、砂漠でゴーカートをしたんですよ。そのとき、本当はスマホ落とすからしまっておいてね、って言われていたのに、写真を撮っていて。いつの間にかスマホがポケットから滑り落ちていたみたいで、乗り物から降りたときに『あれ?! ない?!』って(笑) 職員の方もずっと探してくださったんですけど、砂の中に沈んじゃってるからもう見つからない、諦めるしかないっていう結論になって。今も多分砂の中に…。今まで撮った写真とか、やってたスマホゲームのデータとか、全部消えました。悲しかった~~~。はい。媛香、考えられた?(笑)」
媛香 「失くしてショックだったモノって、あんまりないんですよね~」
まなか「モノを失くさない?」
媛香 「あんまり失くさない」
———偉い。
まなか「遡ってもないの?(笑)」
媛香 「壊して悲しいとかならあるかも。家族でプールに行ったときに、その日に買ってもらったゴーグルを、自分のお尻でベシャって踏んじゃって、パリって割れたのが、もう、すっごいショックで。覚えてます」
まなか「いつの話?」
媛香 「幼稚園か小学生くらい」
まなか「めちゃくちゃ前(笑)」
媛香 「買ってもらえてもう本当にウキウキしていたのに、その日のうちに割って、新しいのも買ってもらえなかったから、さらに悲しかった。もう、すーごいショックだったから、今でも覚えてる」
まなか「そうだよね、幼稚園小学生の頃のことを今思い出せるって相当ショックだったんだろうね」
———最大限遡ってそこまで戻らないといけないくらい何も浮かばないっていうのもすごいけどね。
まなか「凄いね。私逆にすぐモノを失くすから。いつも媛香に『ここだよ』って言われる」
媛香 「そう、『スマホどこ?』ってすぐ言うから。『ここにあるよ』って」
———そのスマホは解約期限になるまでちゃんと失くさないようにしなきゃね。じゃあ、こんな感じで。
ありがとうございました!」
媛香・まなか「「ありがとうございました~~~~~~」」